
「マネーの拳」は2005~2009年に「ビッグコミックスペリオール」にて連載された人気漫画。
今回は漫画「マネーの拳」の名言を集めつつ、モデルとなった人物・会社についても比較考察しました。
初版発行日 | 2005年6月30日発売 |
出版社 | 小学館 |
作者 | 三田紀房 |
巻数 | 全12巻(コミックス) |
ジャンル | ビジネス |
Wikipedia | 「マネーの拳」のWikipedia |
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「マネーの拳」名言集
「マネーの拳」の名言を集めてみました。
ビジネスや実社会で役に立ちそうな名言から、「本当にそうなのか?」という名言(迷言?)まで紹介しています。
商売の三原則(1巻:塚原為ノ介)
商売の三原則
・設備投資がかからない
・売り上げが季節に左右されない
・商品のロスが少ない
大成功者である塚原為ノ介が語った「商売の三原則」。
会社で働いているほどんどの人は共感できたのではないでしょうか?閑散期を作らず、コストを抑えるというのはどの商売でも大事ですよね。
インターネット系のビジネスが、大きく当たるのは商品ロスがなく、製造費用が掛からないから。ビジネスモデルというのは大切ですね。
商売というのは100%才能(1巻:塚原為ノ介)
商売は100人やったら99人は失敗する。みんな自分はうまくいくと思っているが、そう思い込んだ時点で客観性を失っている。自分を見失う、そこで勝負はついている。
物語の序盤で塚原為ノ介が語った名言。
個人的には半信半疑の言葉ですね。失敗をどのように定義するかで、信ぴょう性が決まりそうな言葉。
東証一部上場企業のような会社を作るとなれば、99人は失敗しそう。ただ、自分一人で食べていく規模の会社であれば、もっと成功率が高いように思えます。
貴方はどう思いますか?
商売の第一の極意は嘘つきであること(1巻:塚原為ノ介)
「ふたつのうちひとつ取れ」と言われて、自分の大切な資本を手放すようではダメ。ふたつ出されたら、ふたつともとる。これが商売人というもの。
嘘を嘘のまま終わらせない。それを真実に転化させてしまう。あるいはリセットして、泡のように消し去ってしまう。そこには初めから嘘は存在しない。
本物の噓つきは嘘をつかない。
こちらも塚原為ノ介の言葉。
ふたつ出されたらふたつ取る。理解はできるような気がしますが、1つに打ち込んだ方が成功するパターンもあるような…。
例えば、スポーツ選手の場合。野球とサッカーの両方でプロを目指すよりも、どっちかでプロを目指す方がいいように思えるんですよね。
「嘘を嘘のまま終わらせない」というのは熱い言葉ですね。人間はもともと嘘をつく生き物なので、その嘘がポジティブな嘘になるように頑張ることは、とてもいいことだと思っています。
ビジネスは理詰めの世界(1巻:塚原為ノ介)
ビジネスは理詰めの世界。最後まで自分の利益は理屈で守る人物でなくてはならない。
塚原為ノ介が、ビジネスパートナーである木村ノブを切ることを薦めたときの言葉。塚原はその後「いずれ君は、彼と決別する時がくる。その覚悟だけはしておけ」と発言。
感情でやりたい放題動く人って、基本的に上手くいかないですからね。熱い気持ちを持っていながら、しっかりとロジックで動いていきたいですね。
まず守ることを考えるやつはいらねえってことだ(1巻:花岡健)
ここで腹をくくったやつだけが、チャンスを掴める。みんなが気づいたら、それはもうチャンスじゃねぇんだよ。
ホームレスを雇う福引抽選機のシーンで放った花岡健の言葉。
起業というのは、ある意味人と違う道を歩んでいくこと。自分たちで会社を経営しようと思うのであれば、人一倍の努力と行動力が必要ですよね。
ケンらしい、チャレンジスピリットに溢れた言葉です。
モノを作って売る、これは商売の原理原則(2巻:塚原為ノ介)
モノを作って売る、これは商売の原理原則、まさに本道だよ。肝心なのは、単純に人がほしいと思ってるモノが作れるか作れないか、企画力だけ。
ケンがアパレルを始めると決意した後、塚原に相談したときに貰った言葉。
この名言については、特に補足する必要はないのですが、ヒット商品の企画を出せるかどうかという点は才能の部分が大きく影響しそうですね。
もう1つの要素は人生経験。いろいろな世界を見ていれば、それだけ発想力が豊かになりますね。
商売するなら、絶対に人のせいにするな(2巻:塚原為ノ介)
商売するなら、絶対に人のせいにするな。失敗はすべて自分の能力不足。業種なんて関係ない、まずはその世界で一番になること。未来の夢はそこから。
この名言は、商売に関わらず万事に共通する言葉ですね。基本的に人生の舵は自分で切るものだし、自分の人生の責任は自分で取る。
これが出来ていると生きていくのが楽です。なんでも人のせいや社会のせいみたいな他責思考は、自分を苦しめる。常に自分のせいだと思って生きていきましょう。
商売やるんならもっとでっかい夢持てよ(2巻:花岡健)
商売やるんならもっとでっかい夢持てよ。いずれは年商100億円の一大ブランドを築くんだよ。
豪腕(イベント)のTシャツ販売業務から、年商100億円の一大ブランドを築くことをビジョンを描いているケンの名言。
何かをやるには大きな目標を持っていた方が、いいんですよね。自分の将来は、自分がイメージした以上の状態にはなりません。大きなイメージを持って、そこに向かって頑張ることはとても重要です。
金は欲しいと思うやつにしか集まらねえんだ(2巻:花岡健)
金は欲しいと思うやつにしか集まらねえんだ。最初から普通でいいなんてやつには金は、見向きもしねえ。一生、貧乏してろ。
井川の誘いに乗って、赤字覚悟の受注を行った際のケンの言葉。
巷にある「引き寄せの法則」を言語化したのがこの言葉。お金を稼げたらラッキーだな、お金を稼げたらいいなくらいのマインドだと、成功確率は著しく下がります。
相手との取引の始めは理屈じゃない。気分・感情だよ(2巻:塚原為ノ介)
相手との取引の始めは理屈じゃない。気分・感情だよ。それは相手とウマが合うか合わないか、もっと言えば好きか嫌いか、それだけだよ。商売も恋愛も同じ。相手に自分をホレさせたら勝ち。
井川との仕事の報告を行った際の塚原のアドバイス。この言葉は、営業職をやっている人には身に沁みますね。
営業で最初に売るものって「信用」なんですよね。信用を売った後に、メインの商品を売るという順番。
ビジネスに入る前は信用・感情の販売。ビジネスに入ったら理屈で商品の説明をしての販売。商売には2段階あるということが分かる名言でした。
生きる価値てめぇで作れねえんなら今すぐ死ね(3巻:花岡健)
生きる価値てめぇで作れねえんなら今すぐ死ね。俺は必要なやつしかいらねえ。役に立たねえんなら、今すぐ叩き出してやる。
ケンが加藤に”中原綾名の等身大フィギュアを作れ”と命令したときのセリフ。
かなりパワハラめいた言葉なので、名言と暴言の境界線上にある感じ。ただ、生きる価値を自分で作らなくてはいけないというのは真理ですよね。
学校での生活って常に受け身です。それゆえ受け身のまま育ってきて、社会に出ても受け身の人が多い。豊かな人生を過ごすためには、自分で自分の人生を設計する必要がありますよね。
楽して儲けるのが本当の商売だ(3巻:塚原為ノ介)
楽して儲けるのが本当の商売だ。苦労して儲けるなんて誰でもできる。人の2倍働けばいいだけのこと。だが、そんなものは頭のないやつの商売。真の経営者というのは、カンとセンスとアイディアがひらめくこと。そのアイディアを具体化して、独自のビジネスモデルを作ること。
中原綾名を使ってTシャツ受注を広げた後に貰ったアドバイス。塚原は、続けてこんな発言をしています
勉強はまわりの無能なものにやらせて、必要なことだけ利用する。これが真の起業家というもの
人間が1人で出来る範囲は限られています。どれだけ優秀な人物でも、出来ることは1馬力の域を出ません。
周りの人物に任せることで、レバレッジが利き、自らのリソース(時間・労力)が空く。結果的に楽にビジネスができるようになりますね。
小さくてもいい、しっかりとした存在感。それが店の基本(3巻:花岡健)
小さくてもいい、しっかりとした存在感。それが店の基本。そしてなによりもずっと売れ続ける永遠の定番。そこでしか買えない商品を、たばこのように売る!
ケンが語ったこの言葉は「ブランディング」の話ですよね。基本的には物量や品数では、大手には勝てません。ブランドを作って、小さい店でも買ってもらえる付加価値が必要ですね。
まあ本作のストーリーのように、簡単には上手くいかないですけどね(汗)
逃げ出すやつに、商売をする素質・才能はねえ(3巻:花岡健)
勝つか負けるかの真剣勝負。その重圧に耐えられなくなって逃げ出すやつに、商売をする素質・才能はねえ。
ビジネスパートナーである木村が「田舎に帰る」と言い出した時に、ケンがかけた言葉。
ビジネスを続ける事って、「始める」「続ける」「辞めない」。この3原則が大事になります。辞めてしまうことは、この3原則から外れてしまうので、逃げ出さないことは重要ですよね。
人は一番のものにしか惹かれない(3巻:塚原為ノ介)
人は一番のものにしか惹かれない。二番目以下には、価値を感じないからだよ。だから自分で市場を作る。独自のアイディア、独自のマーケットで切り拓く。それが世間に認知されれば先駆者。
現在は趣味やビジネスも多様化していますが、1番になっているものが総取りをするという現象は、周りを見てもチラホラと見かけます。
メルカリなどの中古品販売事業も、シェアが1番でないと顧客数の面で信頼性が損なわれます。1番になれないジャンルだとしても、細分化して、新しいマーケットを作ることも有効です。
ビジネスなんて個人的感情でやるものよ(4巻:井川里美)
ビジネスなんてバリバリ私情。個人的感情でやるものよ。私情感情でやるからワクワクするのよ。燃えるのよ。
「マネーの拳」の裏主人公と言える井川里美の名言(迷言?)。
最初はギャグで、このセリフを言っているのかなと思っていました。ケン・塚原の対局で出てきたダメキャラで、最後は転落するのかと思っていました。
ただ、物語後半には要所についていたことから、上のセリフも作者が本気で言っているのかもと思うようになりました。
人が作ったものを仕入れる。これほど儲からない商売はない(4巻:花岡健)
人が作ったものを仕入れる。これほど儲からない商売はない。仕入れ先から、高く売りつけられる。自分たちの自由を相当制限される。
ケンが自社でTシャツを販売しようと社員を説得した時のセリフ。
言っていることは確かに正しい。ただ、自社で生産するには相応のコスト(設備投資・人件費)が必要となることから、自社で作ったから商売が成功するというわけではありません。
経営者の中でも意見が分かれそうな名言ですね。
なんだかんだいって、結局世の中金よ(4巻:花岡健)
人は職場環境が良くて、収入が増えれば大概ハッピーなんだ。だいたいの幸せは金で手に入れることができんだよ。だから商売が順調で金回りがよければ、従業員との揉め事はほぼ解決する。
新規出店で、揉めたときにケンが放った言葉。
「世の中はお金で解決できることがほとんど」これは真理です。ただ、人間という生き物は欲深いもので、嫉妬・妬み・嫉みなどが、絡んできてしまうこともまた真理。
収入と人間関係の狭間で苦しんでいる経営者や職員は多そうですね。
俺の商売は光の当たる王道をゆく(5巻:花岡健)
俺の商売は光の当たる王道をゆく。人の商売を汚い手で妨害するようなやつ、商売の神様から天罰が下る。俺は義に反することは一切しない。だから後ろめたさは微塵もない、胸を張って堂々と歩く。
井川に邪魔されながらも、T-BOXの宣伝をしようとするケンの宣言。
言葉としてはとても美しい言葉ですが、実際の社会ではここまで潔くはなさそうな気もします。フジテレビ問題をはじめ、権力のある所から圧力を受けることは残念ながらありますよね。
金とは水だ(5巻:塚原為ノ介)
金とは水だ。貯めたら腐敗する。なんの価値もなくなるのだ。循環するから、途中でいろいろな価値を生み、恩恵をもたらすのだ。
成功したケンに対して、馬主になることを勧めた塚原の言葉。
ビジネス界隈で耳タコなくらいに言われる「お金は循環するべき」という理論。日本人は貯蓄志向があるので、お金の総数に比べて、不景気感が強いと言われる所以ですね。
「だから馬主になれ」の理屈はちょっと笑ってしまいました。
会社とは人をいっぱい雇うことだ(7巻:花岡健)
会社とは人をいっぱい雇うことだ。一人でも多く雇用し、給料を払う。これ以外にない。
上場企業を目指していたケンが語った名言。
理想論ではありますが、イマイチしっくりこない点はある言葉です。というのも、以前塚原・ケンは、経営者は従業員にお金を払いたくないって言っていたんですよね。
そこからすると、今回の言葉は真逆の意味。そこから分かるのは、人は立場によっていうことが変わるし、良いかっこをしたいということ。
会社のことを考えれば、少ない従業員で、大きな売り上げを出すことが基本ですからね。
金をモノをいわない。モノをいうのは人間だ(7巻:花岡健)
金をモノをいわない。モノをいうのは人間だ。問題は金を持つ人間の気持ちが明るいか。つまり、金とは人の感情があって、はじめてその価値が決まるものなんだ。
井川から買収話を持ち掛けられた八重子に詰め寄ったときのケンの言葉。
「金に色はついていない」という言葉とも共通するかもしれませんが、お金自体に綺麗も汚いもないんですよね。お金を使う人間がポジティブであれば、ポジティブな効果を与えることが出来る。
そんな意味合いの言葉ですね。
経営陣の本音は、従業員の給料を上げたくないだけ(9巻:福沢ウィリアム太郎)
経営陣の本音は、従業員の給料を上げたくないだけ。出資者に還元したくない。全ての自己保身のため、自分たち以外はどうでもいいのだ。
ケンとの対面したときの福沢ウィリアム太郎の言葉。
ここでも「会社とは人をいっぱい雇うことだ」という言葉と真逆に迷言が出てきました。政治家や大会社の役員などの言動・行動を見ていれば、こっちが真理だなとは思いますよね。
残念ではありますが、私を含めて人間はこうなのでしょう。
改革ってものはね、常に強引(10巻:井川泰子)
改革ってものはね、常に強引。問答無用、力づくでやるものなのよ。そして、大事なのは結果。途中の議論なんて馬の糞よ。私を説得したかったら、まず数字を持ってきなさい!
社内改革を行おうとする井川と佐伯が、対立した時の井川の言葉。
基本的に下の立場になればなるほど、現状を維持しようとしますからね。下からすれば”たまったものではない”ですが、井川の言うことに共感できますね。
経営者っていうのはな。社員なんて誰一人信用しちゃいないんだ(10巻:花岡健)
経営者っていうのはな。社員なんて誰一人信用しちゃいないんだ。信じるものは自分だけ。俺は俺しか信用しない。
高野に「優秀な人材を紹介してくれ」といった時のケンの言葉。
経営者は社員を誰一人信用していない。ある意味、的を射ているような気がしますが、信じる人と信じない人、どちらが成功するのか?気になりますね~
変化を嫌う時点で、その社員の存在価値はない(11巻:花岡健)
変化を嫌う時点で、その社員の存在価値はない。もう、なんの魅力もない。会社としては次の時代を背負う人材を育てるだけ。なんの滞りもなく、淡々と事業を続けていくことだけです。
海外事業について、ケンが塚原と話しているシーン。
人間には変化を嫌う本能(ホメオスタシス)があるので、変化できないのはある意味仕方がないこと。ここを乗り越える人ほど、経営者に近づいていくんだなと感じさせる言葉です。
戦わなくなったらその組織は終わりだ(11巻:花岡健)
戦わなくなったらその組織は終わりだ。平和になったら企業は死ぬ。
ケンが「井川やサンデーキャピタルの福沢になぜ頼るのか?」という質問を牧から受けた時の言葉。
民主主義において、商売をすることは”戦争”みたいなところがあります。社員のなかには「このまま現状維持をすればいいじゃん」という人がいますが、それではいけないのでしょうね。
商売には成功の道理がある(12巻:花岡健)
商売には成功の道理がある。感情を優先すれば理屈が曲がる、理屈が曲がれば道から外れる。感情に任せた商売は必ず失敗する。俺は「人を幸福にするため」に商売を行っている。
ケンが、M&A相手のダイムジーンズの社長笠岡と対面していた時のセリフ。
成功哲学が詰まった言葉のように聞こえますが、ケンは当初「自分のため」と言って企業をしていたので、かなりブレているなとは感じてしまいますよね。
でも、このブレこそが、人間の本質なのでしょう。人間って面白い!
まとめ
ここまで「マネーの拳」の名言を紹介しました。
聞く人の考え方や立場によって、共感できる言葉と出来ない言葉がありそうですが、この賛否両論な感じが「人間」って感じがしていいですよね。
人間は矛盾をはらんだ生き物、その面白さが出ている漫画なので、是非本編も読んでください。