【ネタバレ注意】「秘密season0」のあらすじ解説！登場人物も一覧でまとめてみました。

漫画「秘密season0」は2013年から「花とゆめCOMICS」にて連載されている大人気漫画です。

今回は漫画「秘密season0」のあらすじを解説しつつ、登場人物をまとめてみました。

「秘密season0」登場人物一覧

漫画「秘密season0」の登場人物を一覧形式でまとめてみました。

終盤から登場する人物もいますので、「秘密season0」を読んでいない方は先に漫画を読んで頂くことを推奨します。

「秘密season0」に出てくる登場人物は以下の通りです。

主人公（登場人物）

薪剛
鈴木克洋
青木一行
岡部
宇野崇
山本賢司
曽我育秀
山城
斉藤

Genesis 創世記（登場人物）

澤村敏
川谷雅人
薪俊

原罪 ORIGINAL SIN（登場人物）

タジク・シャマール
ガリーナ・ツォイ
ユリヤ・ツォイ
日向沙羅
川谷寿明
アリエフ大統領
ポトノフ外相

可視光線（登場人物）

桜木正
黒谷由花里
関口翔太

増殖（登場人物）

真田光二
佐野圭介
児玉良臣
須田洋子
原田亜紀

冬蝉（登場人物）

住田俊朗
住田冴子
津久井充広
長田敬次
牧野和広
細川宣之

悪戯（登場人物）

小岩国明
吉澤咲子
須田光
中根みどり
黄楊淳一
神原翔子

「秘密season0」本編のあらすじ

「秘密season0」本編のあらすじを紹介します。

まだ「秘密season0」を読んでいない方は最初に漫画を読んで頂くことをオススメします。

「秘密season0」1巻あらすじ

Genesis 創世記

2045年5月。

東京大学経済学部国際思想史学科、またの名を「プレミアム」

ここでは総合的に最も優秀な生徒を選出しており、鈴木克洋が選ばれようとしていました。

教授たち選ばれなかった成績1位の薪剛は、鈴木克洋の顔を見るためにコンパ会場へ向かいます。鈴木克洋はいきなりスケッチを渡し、無礼な態度をとる薪と口論になりますが、鈴木が正論をぶつけたことで薪は退散していきます。

それから数時間後。

薪は京都大学で脳が見ている映像を画像として取り出す実験をしていました。薪のことが気になった鈴木は実験現場へ向かい、薪が行っている実験について話を聞きます。

実験によって脳への負担をかけた薪が倒れたことから鈴木は薪の家まで向かうと、後見人である澤村敏が対応し、薪は自宅へと運ばれていきます。

鈴木は薪の家に入り、火傷で顔がただれた澤村敏や屋敷のように広い家について理由を聞きます。

薪の過去

薪剛が10歳の頃、自宅から火が発生し、両親は死亡した。

薪少年を救ったのは澤村敏。
澤村は全身に重度の火傷を負い、記憶をなくしながらも薪を救ったのでした。

警察の捜査によって「両親の放火による自殺」と判断されましたが、薪は当日薪家を訪れていた3人の男のうちの誰かが犯人だと確信していました。

手掛かりは薪の頭にある記憶のみ
薪は記憶を出力できる京都大学の実験に協力し、犯人を捕まえようと考えていました。

鈴木は薪が渡したスケッチがプレミアムのエンブレムであることに気づき、薪の調査を進めるためにプレミアムに入会することを決めます。

プレミアムに入会した鈴木は、入会の儀式をするため、プレミアムの本部に控室に通されます。

薪は警備会社の社員に変装し、プレミアムに侵入。鈴木と落ち合うため本部内を探索します。しかし、鈴木の前に澤村敏が現れ、催涙スプレーを浴びせた上に、暴行を加えられ、拉致されてしまいます。

鈴木を発見できない薪はプレミアムのメンバーに発見され、逃げ回ります。逃げ回る薪は歴代のプレミアムマスターが飾ってある額縁を発見。

そこで目にしたのは自分の姿とは似ても似つかない父親、第54代マスター薪俊の写真と自分の姿と瓜二つな第55代マスター澤村敏の写真でした。

薪は両親が殺害された日に訪れていたプレミアムメンバーと再会。プレミアムメンバーと話した薪は、澤村敏が両親を殺害した犯人であることを知ります。

澤村は鈴木を連れて「20世紀オリンピック公園」へと向かいます。

鈴木を椅子に縛り付けて水のないプールの中に固定した澤村は徐々に水を入れていき、鈴木を殺害しようとします。

徐々に死期が迫る鈴木に澤村は今回の事件の動機を語り始めます。

澤村が起こした事件の動機

澤村は外国人に似た美形の顔に悩んでいた
（当時日本には外国人を憎む社会情勢があった）

苦境を覆すために必死に勉強してプレミアムに入会し、20世紀オリンピック公園の開発を担当するが、後からきた薪俊に手柄を奪われてしまう。
薪俊を憎んだ澤村は俊の恋人を犯してしまう。

その後も努力をするものの出世できず、ひねくれていった澤村は薪夫婦を放火で殺害。
自身はコンプレックスである顔を焼き、息子である薪剛を引き取り、育てていた。

澤村は水が溜まったプールに電流を投げ入れようとしますが、寸でのところで薪がブレイカーを落とし救出。

逮捕された澤村は2日後に拘置所内で死亡

育ててくれた両親が殺害され、実の父親も死亡したことで憔悴する薪

鈴木はそんな薪を友人として支えることを決意、その後は東京大学の第九研究室に所属して、脳が見ている映像を画像として取り出すMRIスキャナーを完成させるのでした。

「秘密season0」2巻あらすじ

原罪 ORIGINAL SIN

薪は警視総監、組織犯罪対策部長、生活安全部長を誘って、高級フレンチレストランで会食をしていました。

最初は和やかに食事をしていましたが、薪はガリーナの事件を3人に説明。

薪の説明

いま食事しているレストランは、ガリーナが捨てられた場所であり、ガリーナはシェフによって死体処理をされ、料理として客に出された。

薪は持論を裏付けるため、レストランの捜査許可を求めます。

脇で薪たちのやり取りを聞いていたシェフのタジク・シャマールが、薪の捜査を許可したことから、薪は毛髪を使ってMRIスキャナー捜査を実施します。

捜査をした結果、ガリーナは化物に襲われて意識をなくしていたことが判明。症状から狂牛病になったと推察されましたが、証拠にはならないため、捜査は難航します。

ガリーナの妹であるユリヤは重体で入院中していました。

ガリーナが失踪する動機に心当たりがあると踏んだ警察はユリヤの体調を見て、事情を聴きだそうと考えますが、川谷雅人の息子である川谷寿明が、病院に乗り込んでユリヤを殺害します。

現場に居残りさせられた川谷寿明の秘書日向沙羅はタジクに助けを求めます。

タジクはユリヤの遺体を持ち運び、2人で失踪します。防犯カメラにも残らない完ぺきな犯行に捜査がまったく進みません。

イレギュラーである状況でありながらも、証拠一つ残さず完ぺきな犯行をみせたであろうタジクに対して、薪は最大限の警戒心を抱きます。

タジクは犯行を重ねながらもレストランの評価を順調に上げていき、カザフスタン大統領が出席する国賓パーティーの料理長を担当することになります。

パーティーの前夜祭で、カザフスタンのアリエフ大統領はモニュメントが落下する事故にあいます。このことから青木も捜査に駆り出され、タジクをマーク。

パーティー当日を迎えます。

「秘密season0」3巻あらすじ

原罪 ORIGINAL SIN

パーティーが始まると薪たちはピリピリしたムードで警護にあたります。

前日までタジクをマークしていた青木。タジクが「人が人を食べること」について言及していたことから、感染症を恐れた薪は大統領の食事を食べないように指示します。

タジクは大統領に料理を食べさせるためにテーブルを移動させて肉の切り落とし料理を振る舞おうとします。薪はタジクの犯行を阻止するためにテーブルを力づくで止めて、タジクを説得しようとします。

問答になる2人。タジクは隙を見て薪の手をテーブルの下に隠したスイッチの上に押し付け、手を放すと爆弾が作動すると脅しをかけます。

タジクの狙いがフェイクかどうかを見極められずに身動きが取れない薪。そんな薪を他所に壇上の大統領へと近づく日向沙羅。彼女の手には刃物があり、大統領を殺害するために徐々に距離を近づけます。

あと一歩で刃物が刺さる距離に辿り着いた沙羅ですが、青木が近付き、身を挺して沙羅の犯行を止めます。

青木のガードによって食事会は無事に終了しますが、大統領の代わりに刺されてしまった青木は瀕死の状態となり、病院へ運び込まれます。大統領暗殺が未遂になってしまった沙羅はその場で吐血して病院に運ばれます。

食事会終了の翌日…

意識不明だった青木ですが、手術が無事に終了。1週間後には退院できる状態になります。犯行を企んでいた日向沙羅は末期がんと診断され、余命わずかという状態であることが判明します。

日向沙羅の動機

1949年のカザフスタン近郊で行われた核実験のため、周辺の住人は遺伝子を狂わされて、発がん体質になっていました。

多くの犠牲と悲しみを生み出した事件でしたが、大統領とポトノフ外相は国の名誉のために行われたことで大したことではないと断言した事から日向沙羅は強い恨みを持ち、2人を暗殺しようと決意。
タジクに協力を依頼して、今回の計画を立てた。

食事会から4日後、日向沙羅は癌によって死亡します。

沙羅の葬儀に参加した川谷寿明は突然、魔物に襲われているような幻覚を見て倒れます。ガリーナと同じ狂牛病の症状を発した事から、薪はタジクが食事に危険部位を入れて提供していた事、解体した死体を仕入れ先の豚に食べさせていた事を確信します。

タジクは自分が捕まらない為にカザフスタンへと逃げていました。

薪はあらゆる手を尽くしてタジクへ電話にする事に成功しますが、タジクは自分が安全圏にいることから勝利宣言を行います。しかし、薪はカザフスタンにおり、タジクを逮捕します。

拘置所に入ったタジクは黙秘を続けていました。

面会に来た薪は、タジクが妹アルマの墓を放射線区域エリアから放射線のないカザフスタンの空の下へと移した事を伝えるとタジクは涙を流すのでした。

「秘密season0」4巻あらすじ

可視光線

41年後の2066年。

青木は警察官が集まる捜査室でプレゼンをしていました。

死刑が執行された永江明。彼の脳をMRIスキャナーにかけた結果「可視光線以外をとらえる特異な目を持っている」ことが判明します。

非科学的な説を唱える青木に対して、警務部部長である桜木正が異議を申し立てますが、薪が異議を退けたことでプレゼンは無事に終了。薪は講演を終えた青木に「永江の追跡調査」を行うことを指示します。

薪と桜木は同期で出世競争を行う立場にありました。

桜木は薪よりも上に行く為に、元東京都知事の黒谷の娘である黒谷由花里とお見合いをします。薪に好意を持つ由花里ですが、桜木の強烈なアプローチによってプラトニックな交際を開始します。

一方、永江の追跡調査を行っていた青木は、永江が婦女暴行を行った際に子供を身籠っている可能性があることを発見します。

それから1ヶ月後。

由花里は薪の下へ訪れ、相談を持ち掛けます。

相談内容

由花里が桜木と会っている光景や普段の生活について盗撮されており、血糊がつけられた状態の写真と剪定ばさみが自宅に送られるようになった。

桜木にも相談したが、正体が分からずに自宅を出られらない状態になっていた。

薪は写真と剪定ばさみについて調査を行うと、犯人の狙いは由花里ではなく、久留米一家斬殺事件の目撃者である桜木ではないかという結論に達します。

それから2ヶ月後、事件が起こります。

桜木はストーカー犯を追う中で、額を銃で撃たれたフィアンセ由花里を発見。動転する桜木の前に薪が現われます。愛する人の死を目の前にした桜木は絶望し、自分が持っている拳銃を自らのこめかみに銃口を突きつけますが、薪が身を挺したことで桜木の自殺は未遂に終わります。

近くには身元不明の男性の死体が転がっており、桜木のメガネは外されていました。由花里は長いカツラをつけており、別人を装っていた形跡が発見されます。

その後、現職の警視長が民間人2名を射殺したというニュースが世間を巡ります。

薪は桜木が着けていた眼鏡に違和感を覚え、青木に「桜木の過去を徹底的に調べる事」を指示し、薪は身元不明の男のMRIスキャナー捜査を行います。

身元不明の男から出たデータ

車内で練炭により一家心中している親子の目撃していた。

身元不明男の死体を鑑識で調べると自らの手で右耳が削がれていることが判明。足の甲と後ろの靴ズレの跡が見受けられる事から女物のパンプスを履いていた事が判明します。

薪は調査の結果、身元不明の男が桜木によって逮捕された庭師・関口の息子、関口翔太であると断定。親と妹を一家心中で亡くした翔太は関口の犯行が冤罪であると信じており、桜木に強い恨みを抱き犯行に及んだのではないかと推理します。

意識不明だった桜木は目を覚まし、事情聴取を受けます。

桜木はカツラをつけた由花里をストーカー犯と間違えて発砲し、結果として2名の命を奪ってしまった事を自白。

桜木の自白内容

仕事中に由花里から「お弁当を届けたい」とメールが届いたため、待ち合わせ場所にいき置いてあったお弁当を確認すると、切り落とされていた耳が入っていた。

関口翔太から電話が入り、指示された場所（民間の保養所）に向かった桜木は2人の人影を確認し、逃亡を阻止するために発砲。
現場が暗かったため、カツラをつけた黒谷由花里に気付かなかった。

取調室で尋問をする薪は、桜木の証言に対して矛盾から以下の推理を行います。

薪は桜木の目の異常を認めさせて、無罪へ持っていこうと説得をしますが、暴行をされた母親の名誉のため「自分は健常者である」と主張。

健常者として有罪となり、警察を辞職するのでした。

「秘密season0」5巻あらすじ

増殖

ある日、子供の亡霊を見た女性が死亡してしまいます。

その事件を機に日本全国で老若男女を問わない人々が毎日同じ症状で死亡していきます。正体不明の連続開始事件が起こったことから巷では映画「リアル・リング」を見ると死亡するという噂が流れます。

第九研究室が総力をあげて、MRIスキャナー検査を行った結果、2ヶ月前の日本スクリーム映画祭で上映された「見えないともだち」という映画を見た人たちが次々と幻覚を見て死んでいることが分かります。

感染症としては発症する時期が遅いことに疑問を思った薪はプリオン（狂牛病）が原因ではないかと考え、刑務所にいるタジクへ面会をして、捜査に協力するよう依頼。タジクは捜査協力を快諾します。

映画で出されたフードなどに感染物質が発見できなかったことから、薪は「見えないともだち」に何か映っていないかを調べます。

映画には、児玉良臣という人物が映画に出演していることが判明

児玉良臣

カルト的宗教団体「ストーンヘンジ」の創設者。

反社会的活動テロ対策特措法違反等の疑いで、施設の強制捜査が開始された際、44人の信者と共に集団自殺。死亡が確認された。
ただ死体はバラバラになっており、骨を拾い集めて確認したが、44人分の骨は集まらなかった。

捜査を進めていくなかで、薪は発熱で倒れると青木が代わりにタジクと面会します。タジクは事件の全容を把握したことを告げますが、薪が相手じゃないと話さないと言い、事件は解決に向かいません。

薪は警察上層部に駆け込み「見えないともだち」を別の場所で上映させ、おとり捜査を行います。

青木はタジクと何回も面会を続けるうちに「上映中に出てくるミストにプリオンの成分が含まれている」ことに気付き、2ヶ所目の上映場所で「ストーンヘンジ」の幹部である須田洋子を逮捕します。

須田洋子らストーンヘンジの幹部は映画を使って、児玉良臣の名前を世間に広めて、解散に追い込まれた「ストーンヘンジ」を復活させようと目論んでいました。

その頃、ビルの地下駐車場で警備員が射殺される事件が起こります。

「秘密season0」6巻あらすじ

増殖

警備員殺害によって、マンションの一室で須田洋子の取り調べをしていた青木も現場に向かいます。

同僚の山城が一人になったことで、須田洋子は口に仕込んだ毒物をかみ砕いて装置を作動。山城は必死に毒を吐き出させようとしますが、警官のふりをしていた児玉良臣が現れ、須田の脳天を銃で撃ち抜きます。

山城は須田の脳を守るため、体においかぶさると児玉によって発砲され、瀕死の重体となります。

現場に戻った薪は山城の行動を無駄にしたいため、わずかに残った脳組織からMRIスキャナー捜査を開始します。

必死の調査の末に須田の記憶を復元することに成功した第九研究室は、記憶の内容から軽井沢にある児童施設「つばき園」にストーンヘンジの本拠地があると判断。総出で軽井沢へと向かいます。

軽井沢の「つばき園」では児玉と幹部の原田亜紀が子供の面倒を見ていました。

児玉は自分が捕まらないため、子供たちを毒物で殺害して、逃げ出そうと計画。警察が踏み込んだ時には毒に侵された子供たちが倒れており、児玉は行方をくらませていました。

青木は児玉が捜査員に変装していることを発見して追い詰めます。子供を人質に逃げようとする児玉に青木と岡部が発砲。

岡部の銃弾が胸を貫き、児玉良臣は死亡します。

事件は解決しましたが、子供たちの様子に違和感を感じた薪は「つばき園」について調査を始めます。

つばき園の過去

児玉はつばき園にいる園児たちを洗脳するためにカースト制度を強いていた。

児玉を頂点に須田・原田を指導者、子供たちにも一般市民、下級市民、全ての市民の最下層に位置する鬼が存在。

ストーンヘンジの体系、児玉の思想を引き継ぐ世界を作り上げていた。

鬼であったミドリは施設へ戻ることを拒否しますが、一般市民の子供たちによって強制的に病院を脱出させられます。

病院を出たミドリ。人権が認められないことから弟のコウタによって、崖から突き落とされそうになります。しかし、リーダーのディンタルがミドリの代わりにコウタを突き落としたことで、コウタは死亡。

児玉が死亡し、ストーンヘンジは解体されますが、新しいカルト宗教の芽が生まれるのでした…

「秘密season0」7巻あらすじ

冬蝉

薪は元宇宙科学研究所の主任だった津久井充広、宇宙工学の父である長田敬次の脳が盗まれたという報告を受けて捜査を始めます。

京都にあるJAXAに向かった薪と青木。教授の住田から状況を聞きますが、宇宙工学の研究者である牧野和広が亡くなったことを聞きます。

研究者が立て続けに死亡している現状に疑問を抱く薪は「8年前の被ばく事件」を疑いつつ、牧野の脳みそを盗み出す人物を警戒し、目を光らせます。

牧野の葬式に出席した薪たちは遺体が無くなっていることに気付きます。急いで遺体を探すと住田俊朗、冴子夫妻が、牧野の頭を切開し、脳を取り出していました。

脳を取り出した動機

長田をはじめとした宇宙工学の科学者たちは8年前の被ばく事件でガンを発症する体質になってしまう。

宇宙工学の研究、衛星「すいせい2」の打ち上げを成し遂げるために、長田たちは遺言を残し、脳の摘出とMRIスキャナーによる記憶の継承を依頼していた。

死体損壊罪と窃盗罪に問われますが、人類のための研究を完遂したいと訴えたことで、執行猶予となります。一方の薪は死体の記憶を覗くことに断固反対し、暴れ回ったことで留置所行きになります。

薪が留置所にいる間に、研究者の細川宣之が死亡。

住田夫妻は細川の脳を摘出しようと動きますが、釈放された薪ら第九研究室がやってきて、細川のMRIスキャナーの手伝いを申し出ます。

薪は捜査の手伝いをする裏で、住田冴子が細川を殺害したという疑いをかけます。疑いの目をかける中、冴子は急性白血病で倒れ、余命数ヶ月の診断を受けます。

モルヒネ投与を行った冴子はなんとか宇宙工学の研究を完成させようとしますが、薪が現れ、今回の容疑について自分の推理を述べます。

冴子の犯した罪

冴子は自分が余命いくばくもない状態であることに気付いて、細川宣之の脳からデータを取ろうと殺害を計画。
お茶にノロウィルスを入れて、持病のある細川を殺害した。

薪は自分の推理には証拠がないが、冴子が死亡すれば脳を調べて断定できると告げます。今までは他人の脳を見ることに肯定的だった冴子だが、自分の脳を見られることに激しく抵抗。そのまま犯行を自供するのでした。

2059年、7月

住田冴子は死亡。住田俊朗も死体損壊罪で逮捕されることになります。俊朗は余命僅かで弱った体の冴子を攻め立てたこと薪に対して、激しく叱責するのでした。

薪は地球に接近したハレー彗星と渡り鳥を見ながら、亡くなった鈴木克洋のことを思うのでした。

「秘密season0」8巻あらすじ

悪戯

当初は事故死だと思われていたが、葬式時に同級生がわざと食べさせたとひそひそ話をしていたことで、国明は娘のMRIスキャナー検査を希望していた。

警察は国明の主張に耳を貸さなかったことから、単身での調査をはじめる。

ある日、国明が同級生の一人を襲っている場面を見た警官が発砲。小岩国明はそのまま死亡します。

この事件に疑問を持った薪は国明のMRIスキャナー検査を行うと、娘にアレルギー物質が入ったピーナッツパンを食べさせた子供たちが、道路にワイアーを張っていることを発見。

MRI画像を見た薪は、児玉良臣が運営していた「つばき園」にいた孤児の須田光を発見。子供たちの悪戯に関して裏で糸を引いていることに気付きます。

光は引き取り先の神父と共に病院にいました。医師から先天性の心臓疾患を知らされる2人。

嘆く神父をよそに光は生きている間に可能な限り多くの悪戯（ゲーム）を行おうと決意。その日の夜、教会に火をつけて火事を起こし、神父を銅像で撲殺。その代償として負傷した光も入院します。

青木は姉の娘である舞を預けている施設で「つばき園」にいた中根みどりと交流を持ったことから、須田光を里親として預かることを決意。

薪は須田光が入院している病院へ。事故死として処理された神父についての罪を追求しようとしますが、光は悪びれることなく、青木と舞、中根みどりの関係を割くことを宣言。

薪は青木のもとへ向かい、光の引き取りを諌めます。しかし、青木は自分が光を変えられると宣言し、引き取る意識を変えません。

時が経ち、つばき園跡地から切断された4人の子供の頭蓋骨が発見されます。

児玉のMRIスキャナーからは死体に関する情報がなかったことから、原田亜紀、須田光を含めて捜査を行うことに。薪は青木・光の元を離れていきます。

薪は「光を里親として預れ」と青木に伝え、光は青木の家で暮らすことになるのでした。

「秘密season0」9巻あらすじ

悪戯

福岡市立北町小学校の5年1組に転入する光。

持ち前の美貌と愛嬌の良さでクラスメイト全員の心をつかみ、下校する舞と中根みどりに接近。中根は光が「つばき園」のディンタル（ホーリーネーム）であることに気付きます。

第九研究室は児玉の脳を見返して捜査を行うも難航。そんな中、薪は児玉の脳波が途中で切り替わった可能性があると指摘、周波を変えて捜査を行い新たな画像を発見します。

事実を知った薪は、青木の身を案じて連絡。しかし青木は光の良心を信じて、監視モニターの電源を切っていたため連絡が繋がりません。

続けて捜査を行う中で新たな真実が発覚。

光と接する青木は「光が神父からの性被害をうけていたこと」を知り、光を抱きしめます。

青木の包容力に心を開き始める光は神父殺しを自供。家を出ていこうとしますが、青木は光を守り、更生させるため家に引き留めます。

光をマークする第九研究室と警察。

5年生をターゲットにした個人面談を開催し、カウンセラーが光を呼び出します。光が教室に入っているとき、舞が上級生の男子である黄楊淳一に襲われます。

舞が防犯ブザーを鳴らしたことで、光は教室の外に出て舞を助けに向かいます。淳一はディンタルを名乗っていた光を恨んでおり、光を引き取った青木家を恨んで、舞に暴行を加えます。

現場に現れた光は淳一を鈍器で殴りつけます。淳一が抵抗し、暴行の現場を証拠に収めようとスマホを取り出すと光は更なる暴行を加えて、目をえぐります。

殺害せんばかりに暴行を加える光ですが、舞の制止によって暴行をやめます。後を追ったカウンセラーの神原はこの光景の一部始終を撮っていましたが、現場には入ってきませんでした。

淳一と舞は入院。光の所業は誰の口からも漏れずに、淳一への暴行犯は不明のまま…。青木が病院に駆けつけると光は泣いて、青木に抱きつきます。

泣きじゃくる光に対して、自分ではどうしようもできない深い闇を感じた青木。薪の諫めを聞かずに突っ走ったことを後悔します。

その夜…、淳一は何者かに拉致されてしまいます。トイレの個室に拉致された淳一は何者かに監視されながら、助けを求めるのでした。

「秘密season0」10巻あらすじ

悪戯

青木の期待を裏切ったことで苦しみ寝込む光。

目を覚ますと目の前にはカウンセラーの神原がいました。神原は光を貶めるため、ペンを自らの太ももに刺して犯行を偽装。叫び声をあげて他の人を呼びます。

部屋に入った青木に、光の犯行を証言する神原。神原は光を拉致していましたが、逃げられてしまいます。

神原は黄楊への暴行動画を、投稿サイトへアップ。動画が拡散されたことによって、薪ら第九研究室も事実を把握します。

時を同じくして、舞も何者かに拉致されます。

黄楊淳一、青木舞、中根ミミの3人はある廃墟のトイレに監禁されていました。中根は犯人と話をしようとしますが、犯人は仮面を被り、ボイスチェンジャーを装着しており、犯人は分かりません。

光は廃墟を突き止め、外からトイレを覗くと犯人と目が合います。犯人は舞を指差し、「騒いだらコイツを殺す」と脅迫。

青木の家に戻ってきた光は警察によって確保。薪は青木に光の面倒を見ることを命じます。

放火する6時間前

青木は光のケアを行い寝かしつけを行います。青木は寝たと思い、部屋を出ますが、光はこっそりと起きて廃墟へと向かいます。

薪は光の行動を読んでおり、監視カメラを使って尾行。廃墟の場所を特定します。

廃墟で子供達を拉致していたのは、カウンセラーの神原翔子。

彼女は自分が育てた子供たちが、光を中心としたつばき園の子供の悪戯によって殺害された事から強い恨みを持っていました。子供への復讐の為、今回の犯行に及んだのでした。

6時間後、光が放火した場面に戻ります。

光は学校中に発火装置を仕掛け、犯人を炙り出そうと考えていました。後を追った薪は「香椎三日月小学校跡」に警察を呼び出します。

光は神原が子供を連れて屋上へ上がる事を予測し、屋上の扉の鍵を壊します。黄楊淳一、中根ミミは薪の指示によって3階の窓から飛び降り、下に敷かれた布団によって保護されます。

行き場を無くした神原翔子はミミを連れて、非常用のスライダーへと向かいます。ミミを連れて脱出しようとした神原。光はスライダーにワイヤーロープを掛けており、神原だけ喉に触れる罠を設置していたことで、頸動脈を切断され死亡。ミミだけ助かるのでした。

死亡した神原の脳はMRIスキャナー捜査が行われます。

神原の脳から得た過去

神原翔子は過去に妹を亡くしていた。妹は同級生によるイジメによって持病を悪化させ死亡。
翔子と母親は犯人への追及を求めたが、子供である事を理由に無罪であると宣言される。

自暴自棄になった母親は自殺。翔子は悪戯で人を殺害する子供が許せなくなった。

光は今回の事件でも、罪に問われませんでした。

薪は光を追求せず、里親である青木を見習って余生を生きていけとアドバイス。光はその通り青木と共に生き、1年後に心臓の病気によって死亡するのでした。

まとめ

ここまで「秘密season0」のあらすじを紹介していきました。

10巻が発売されてから約2年間、連載休止となっていましたが、2024年末に連載を再開。清水玲子さんの最高傑作と言える「薪剛」が活躍する姿をまだ見られるのは嬉しいですね。