【ザシス考察】真犯人とタイトルの意味を考察、犯人は〇〇

【ザシス考察】真犯人とタイトルの意味を考察、犯人は〇〇

2023年から「グランドジャンプ」にて連載されていた大人気漫画「ザシス」

変わったタイトルに加えて「ろくでなしブルース」や「ROOKIES」など大人気作品を世の中に輩出した森田まさのりさんの作品という事で、大変話題になった作品です。

「ザシス」短編(3巻)ですが、それゆえにシナリオも纏まりがあり、読みやすく面白い。「さすが森田まさのり先生!」という声が挙がる名作です。

今回はザシスについて以下の点についての考察を行っていきます。

  1. 「ザシス」ってどういう意味?
  2. 黒幕となる真犯人は誰?

「ザシス」をまだ見ていない人は、最初にザシスを読んでから見て頂くことを推奨します。ザシスのシナリオを知りたい人は以下を参考にしてください。

「ザシス」ってどういう意味?

『ザシスってどういう意味?』

多くので読者が最初に感じることでしょう。物語を読んでいけばタイトルの意味がなんとなく伝わってくるのですが、ここで私が考える「ザシス」の意味を2通り紹介していきます。

最も有力な「座視す」説

最も有力な説は『ザシス=座視す』という説

物語ではたびたび「座視」という言葉が出てきます。この「座視」という言葉に意味を調べてみました。

  • そばで見ていながら手出しをせず、関係しようとしないこと。だまって見ていること。傍観していること。

こんな言葉が出てきます。

「ザシス」の裏主人公である佐伯遥人。彼は中学3年生になってから突然、川瀬拳士、鈴木侑己、児玉凌、重松巨の4人から激しいイジメを受けるようになります。

イジメられた対象は4人ですが、そのイジメを見ていた親友の仁志和真クラスメイトやイジメの事実を知っていた担任の先生までも見て見ぬふりをしていました。

佐伯遥人は自分に対するイジメを「座視」していた人間に対して、復讐する為の小説を書きました。この小説のタイトルが「ザシス」であること考えると、イジメを傍観した人たち「座視」していて人達に対してのメッセージだと考察出来ます。

ただ「座視す」だと少しスッキリしないことが出てきます。それは「座視す」という単語がない点

辞書で調べてみると「座視する」という言葉の使い方はあるのですが、「座視す」という言葉の使い方はないんですよね。

例えば、「論ずる」という言葉の場合は「論ず」という言い方があったりします。その点を考えると「座視す」ではしっくりこないので、別の言葉の意味を考えてみました。

「座視」「死す」のドッキング説

私は「ザシス」というタイトルは「座視」と「死す」を組み合わせた言葉だと考察しています。

座視の「座」は座るなどで、使われる言葉ですが「座」という言葉単体でも意味を持っています。

  • 地位。
  • 多くの人が集まっている席。集会の席。
  • 座る場所に敷く畳・円座・しとねなど。

これらの意味があります。

「多くの人が集まる席」という部分に注目すると=クラスメイトとも受け取れます。クラスメイトたちを殺害する、または殺されるくらいに辛い体験をさせる。

こう考えると「座死す」という意味にも捉えられますよね。

座視した人物に対して、物理的・心理的な死を与えること

「座視」と「死す」の造語が「ザシス」。この造語は「座死す」という意味合いを含める事が出来るので、漫画のタイトルが「ザシス」になったという説が、私の考察です。

黒幕となる真犯人(共犯)は誰?

「ザシス」では一連の殺人事件を起こした人物佐伯遥人の母親。という形で描かれています。

ただ最終回では、田宮晋太郎が道を歩いているときに、大型犬に指示を与えて、襲わせ殺害する第三者の人物が描かれています

大型犬に指示を与えた人物が誰なのかが判明しない状態で漫画は終了。共犯が分からない状態で終わっているため、読者からは「犯人は誰なのか?」という議論が巻き起こっています。

ここでは田宮晋太郎を殺害した犯人について考察していきます。

容疑者1 最も怪しい人物、蔦先生

作品を最後まで読んだうえで、最も怪しい人物は担任の蔦先生です。なぜ蔦先生が怪しいのか、その理由について考えていきます。

蔦先生が怪しい理由

①状況的に殺害が可能。

②動機がある。

③他にめぼしい登場人物がいない。

①状況的に殺害が可能

蔦先生は状況的に殺害が可能です。

まずいじめっ子であった川瀬拳士、鈴木侑己、児玉凌、重松巨の殺害ですが、それぞれの教え子が住んでいる場所を知っていることが条件となります。漫画を見ていると児玉、重松は1人暮らしでしたが、地元に住んでいる4人を追うのは元担任であれば可能。

また最後の田宮晋太郎殺害については、クラスメイトと共に蔦先生自身が解放された後に起こった出来事。しかも、一度ドアを開けようとした時に大型犬に襲われそうになっていますが、犬は襲い掛かりませんでした。蔦先生が犬に指示を出した可能性は十分にあります

もうひとつ、蔦先生は作中で明かされた犯人である佐伯遥人の母親の相談相手になりうる存在であるという点。小説「ザシス」を見せて相談したと考えれば、今回の事件を企てる事は十分に可能です。

物語の最後には犯人と思しき靴が描かれています。この靴は佐伯遥人の死体に履かされていた靴と同じですが、作品を見てみると蔦先生の足元はあまり描かれていないんですよね。蔦先生も同じ靴を履いている可能性もあります。

②動機がある

殺人を行うには動機が必要になりますが、蔦先生には佐伯遥人の復讐をする動機があります。

蔦先生は田宮晋太郎に脅された事で、いじめを傍観する事しか出来ませんでした。和馬が仮面の人物に殺害されそうになるシーンでは、「私が悪かった。私を代わりに殺してくれ」と懇願。

この行動が素の行動なのか、演技なのかは分かりませんが、佐伯遥人のいじめを見逃していた事は蔦先生のトラウマになっていて、遥人の無念を晴らそうとしていてもおかしくありません。また田宮晋太郎には親の権力を使って、直接的に脅迫されたことで恨む気持ちがあっても不思議ではありません

最終回で、山内は蔦先生に自分が小学校教師をやっていること、佐伯遥人を轢き殺してしまったことを警察に伝えると話した後に、蔦先生は「もちろんだとも、私も話さなきゃいけない事がある」と言っています。

「話さなきゃいけない事」とは何なのでしょうか。筋から考えれば、自分がいじめを見逃してしまったということですが、これだけの惨劇の自供内容としては弱いようにも思えます。

『話さなきゃいけないこと=今回の事件への関与』とも受け取れますよね。

③他にめぼしい登場人物がいない

直接的に犯人を裏付ける理由にはなりませんが、「ザシス」に出てくる登場人物で名前がついているキャラクターはほとんどいません。

殺害された(殺害されかけた)人物を除けば、本屋敷聖也、八名四十四、蔦先生、この3人くらいしか名前のついたキャラクターがいません。

いままで出てきていないキャラクターが、いきなり犯人ですと明かされる事は漫画の性質上考えづらいので、ネームバリュー的にも容疑者が絞られ、蔦先生が最有力の犯人候補となります。

容疑者2 全てのシナリオを知る、本屋敷聖也

「ザシス」のストーリーを知る本屋敷聖也にも犯人である可能性があります。

本屋敷聖也が怪しい理由

①殺人のシナリオを把握。

②自殺するほどに病んでいたメンタル。

①殺人のシナリオを把握

本屋敷聖也を犯人と断定する最も有力な理由が「佐伯遥人のシナリオを知っているという点」

作中で「ザシス」の内容を明確に知っていたのは本屋敷聖也のみ。殺人の動機としては不明確な部分がありますが、物理的に殺害計画に加わる事は可能です。

ちなみに出版社のパーティーに挨拶をしていた八名四十四は投稿作品に目を通していない事が明かされています。

②自殺するほどに病んでいたメンタル

本屋敷聖也が殺害計画に協力する動機としては「メンタルの不調」が挙げられます。

作中で本屋敷は自殺すると言い、出版社の人間に止められているシーンが出てきます。八木沢が向かう前に説得していた先輩社員は「本屋敷はたまにこういった衝動を起こす。本当に死ぬ気はないが、こちらが止めないと拗ねてしまう」と証言しています。

このシーンから本屋敷聖也は常にメンタル不調を患っていた事が分かります。メンタルが不安定な状態で「ザシス」を読んだ本屋敷が理不尽な暴力を行う輩に制裁を加えるため、天誅を加えた可能性も考えられます。

容疑者3 理論を突き詰めると辿り着く、佐伯遥人

佐伯遥人が怪しい理由

①常識的に人間の犯行は厳しい?

②母親が死んだ後に流していた涙

③最後の描写で描かれた靴

①常識的に人間の犯行は厳しい?

上記では蔦先生犯人説、本屋敷聖也犯人説について考えてみましたが、状況的に難しいかもと思われるシーンがあります。

山内が遥人を轢いたことをカミングアウトしたあと、母親は山内に襲い掛かった末、クロスボウを脳天を撃ち抜かれて死亡します。何かしらの惰性で佐伯遥人の死体が動いたとしても状況的には、かなり確率の低い事象です。

また和真を救出した後、すぐの状態で佐伯遥人の死体が消えていません。

仮に蔦先生が犯人だったとして脱出後、存在に気付かれずに部屋に侵入して死体を持ち運ぶことが出来るでしょうか。八木沢に自分の部屋から電話で「ザシス」の内容を伝えていた本屋敷聖也も無理だと考えると、人間の犯行は難しいと言えます。

②母親が死んだ後に流していた涙

クロスボウで母親の頭を撃ち抜いた時に、佐伯遥人の死体は涙を流しているような描写がありました。

死体を動かしたりすることは第三者でも出来ますが、死体に涙を流させることは第三者では難しいことです。このシーンを見るに佐伯遥人の霊的なものが死体を動かす方が可能性が高いように見えます。

③最後の描写で描かれた靴

最終回の最後のシーンでは犯人と思しき人物の靴が描かれていますが、この靴は佐伯遥人の死体に履かされていた靴です。

ミスリードの可能性はあるものの、佐伯遥人の死体が、現場にいた事を裏付ける描写であると言えます。

結論

川瀬拳士、鈴木侑己、児玉凌、重松巨、田宮晋太郎を殺害し、仁志和真の殺人未遂を起こした佐伯遥人の母親と共犯だったのは蔦先生であると結論を出します。

共犯は佐伯遥人の亡霊であると判断がした方が、状況的には説得力がありますが、現実世界で考えるなら排除しなくてはいけません。蔦先生以外に容疑者となる人物がいない以上、蔦先生犯人説を推したいと思います。

まとめ

ここまで「ザシス」というタイトルの意味と真犯人は誰なのかと言う点について考察をしていきました。

巻数にするとたったの3巻ですが、これだけ考察材料があるということだけで、作品の魅力が伝わりますよね。

巨匠森田まさのりさんの作品なので、今後映画化やドラマ化も十分に可能性がありそうですね。メディア化される前に是非読んでください。

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